2006年5月号外(2006年5月発行) | |||||||||
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お城通り再開発ビルは、「お城より2倍高く景観をいちじるしくそこなう」と多くの市民から批判の声があがり、小田原市は高さを127m(31階)から31m(8階)に変更しました。高さを下げたとはいえ、コンベンションホールとフレキシブルゾーンを市が全部借りると、賃借料は年間2億4千万円、50年契約にすると120億円にものぼる計画です。 市が開催した2回の市民説明会では、市民から 「コンベンションホールは普通ホテル事業者が運営するもの。市が借り受けるのは、非効率で税金のムダ使いになるのではないか」 「多額の市費の投入は市民にとって大きな負担。計画をくわしく市民に知らせ、意見を聞くべきではないか」 など計画見直しと、納得できる説明及び広報を求める声が相つぎました。 <コンベンションホール> 大規模イベント開催施設で、豪華な照明設備や舞台、客席移動装置などを完備し、国際会議、パーティ、商品展示会などに利用されます。箱根富士屋ホテル、大磯プリンスホテルなどにあり、ホテルと一体で経営してます。 <フレキシブルゾーン>
計画に同意できないと民間地権者が再開発準備組合から相次ぎ抜け、計画地は歯抜け状態です。今や市の土地は9割に、未同意者の建物は、そのまま残ることから景観的にも大問題です。
現在は駐車場として、駅周辺での買物客などに大変便利に利用されています。「市などが72億円余も支出して取得した、市民にとっても大切な財産である、小田原駅前の市有一等地を、なぜ民間事業者に長期貸与するのか?」と、市民からきびしい声があがっています。 |
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お城通り再開発ビル建設構想・予定地 |
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お城通り再開発ビルと同規模の岡山コンベンションホール(岡山駅前)は、720席の場合使用料が休日1日通しで50万円以上です。 会議室は小田原市民会館よりはるかに高く(小田原市民会館の約5倍)、市民が気軽に利用できる金額ではありません。小田原市は、再開発ビルは市民会館本館の小ホールや会議室の機能を担うものとしていますが、使用料が高くなります。市民が気軽に使えない施設となるのではないでしょうか。 |
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小田原市・再開発準備組合はこれまで、梶@村井敬合同設計(一般業務代行者)に、計画立案から基本設計まで、すべて丸投げしてきました。再開発ビルの想定年間収入約5億円の算出根拠についても、きちんと説明されていません。 |
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再開発ビルは公募する民間事業者(事業施工者)が国・県・市からの補助金10億円と、自らの出資金44・7億円で建設し、開業後の収益の 94・4%は民間事業者が得ることになります。 |
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いま全国的に起きている、コンベンションホール経営破綻の実態を、最近の週刊誌が大きく報道しています。 コンベンションホールの経営が破綻すると、ホールの賃借料年間2億4千万円に加え、維持費の赤字も上乗せされ、市の財政を圧迫することになります。 |
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小田原市の財政は大変な状況です。赤ちゃんからお年寄りまで、小田原市民一人当たりの借金は約70万円にもなります。これ以上借金を増やすことはできません。 小田原市の平成18年度予算では、教育費、市民のくらしに関係する各種補助金などが削減されています。 また、現在城下町ホールの建設計画も同時進行しており、建設費は70〜80億円とも言われています。 税金のむだ使いをやめ、お城通り地区再開発ビル建設計画は白紙に戻し、見直すべきではないでしょうか。 |
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1 お城通り地区再開発事業については、初期投資費用の平準化、ビル経営における管理リスク軽減の観点から、市は再開発ビルの一部を借り受ける形で、広域交流拠点としての役割を担う行政サービスを展開していくとのことである。 そこで、市民会館本館に代わる機能を担うコンベンション施設、民間や公共の床需要に柔軟に対応するためのフレキシブルゾーンを市が借り受けた場合、将来にわたる本市財政への影響が懸念されることから、事業施行者の公募や施設の運営主体、運営方法について関係者と協議を行う中で、市の財政負担が過大なものにならないよう慎重に対応されたい。 (平成18年度予算特別委員会委員長報告より抜粋) |
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