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141号(2005年10月発行)
【目 次】
10月議会・日本共産党3議員の一般質問

ゴミの資源化・防災・アスベスト
の問題などを問う!

高温溶解炉は環境汚染、安全性で問題
生ゴミの堆肥化など資源化の推進を


原田敏司議員
小田原市のアスベスト対策を問う


関野隆司議員

再び災害指定井戸の
年1回の水質検査を求める


田中利恵子議員

尾崎一雄邸書斎
文学館に移築へ


内田輝夫氏(元市会議員)逝去

   

小田原市9月議会一般質問

高温溶解炉は環境汚染、安全性で問題

生ゴミの堆肥化など資源化の推進を


原田敏司議員



 原田敏司議員は、まず小田原市・足柄下地区ゴミ処理広域化に関し質問。基礎調査報告書において溶融可能な新規ゴミ焼却炉の設置を提起しているが、高温熔融炉はカドミウム、鉛、水銀、クロムなど有害な重金属を気化し飛散させ深刻な環境汚染を引き起こし、全国で爆発など重大な事故を多発している。高温熔融炉は環境汚染、安全性の面で問題があると指摘。そして生ゴミを資源化することがゴミの減量化(焼却ゴミが半減)につながると提起しました。

 生ゴミの資源化には横須賀市が実証実験しているメタンガス化(車の燃料にする)の方式と埼玉県の久喜宮代衛生組合が取り組んでいる堆肥化の方式があり、それぞれ実用段階のレベルにきている。小田原市も今年分別収集・資源化を実施した。その他紙、腐食油に続き、生ゴミの資源化を進め、ゴミ焼却から脱却すべきではないかと質しました。

 市長は、広域化の効果を確かめるため、一例として熔融施設を付帯した焼却施設を算定したもので、実際の施設整備は「ゴミ処理広域化実施計画」において検討する。生ゴミの堆肥化については小田原市も一部小学校に業務用生ゴミ処理機を設置し、報徳小では家庭ゴミも対象にモデル事業として推進し成果もあがっている。燃せるゴミの50%をしめる生ゴミの減量化及び資源化は十分な検討を要すると答弁しました。



今年分別回収をしたその他紙、廃食油
小学2年も35人以下学級に

 次に、小学校1年生で実施し教育的効果を挙げている35人以下学級を小学2年生においても実施すべきではないかと質しました。

 市長は、小学2年生においては少人数学級編成に要する県費負担教員の人数は配置されていないため35人以下学級は現実には難しいが、今後の課題として研究を進めると答弁しました。


小田原市9月議会一般質問

小田原市のアスベスト対策を問う

関野隆司議員



 関野議員は市のアスベスト対策について質問。
 アスベストは建設資材等に使用されたが、肺に吸うと20年から40年後に肺ガンや中皮腫を引き起こす確率が高いと指摘し、小田原市でのアスベストの使用の現状について、小田原市の公共施設ではどうか、民間の建築物ではどうなっているかと質問しました。また市民からの要望が寄せられている広報活動を積極的に実施し、相談窓口を設置する、個人の調査や改修に、市の補助の検討等を求めました。

〈市長答弁〉市は対策会議を設置。市の全ての施設286施設を調査した。吹き付けアスベスト等が使用されていない施設251施設。可能性のある施設は寿町終末処理場のフロア室及び倉庫。他に吹き付け材を使用している施設が34施設。現在含有検査を実施中。民間建設物の使用状況調査は、一定規模以上の対象建築物281棟について、アスベスト使用状況調査を実施中。大気汚染防止法に基づく事業所はクボタ小田原工場と石野ガスケット工場だった。と答えました。

タワービルの高さ見直しなどを問う

 127mのタワービル建設計画の見直しを市長は何故求めたのか。
 小田原駅前を再生する市民連絡会議のみなさんから公開質問状が出されている。
 @高さを抑えるだけに限定し、他の見直しを考えていないのはなぜか。
 Aビルの高さが半減する見直し計画で採算性はどうか等と質問されている。これらに対しどの様に対応されたのか。計画の一から見直すべきではと質問。
 市長は計画の見直しは、天守閣よりも高いことに対する批判も多く頂いた。再開発準備組合に相談し、了承が得られた。事業の意義は変わっておらず、実現に向け見直し作業に取り組んでいると答えました。


小田原市9月議会一般質問

再び災害指定井戸の

年1回の水質検査を求める


田中利恵子議員




 田中利恵子議員は、まず災害用指定井戸について質問。
@水質検査を年一回とすべき。その最大の理由は万が一災害となった時に、大切な飲み水となる災害用指定井戸が市民の身近な給水場となり、多くの方が利用することからその水の安全性が確保されなければならないとその重要性を指摘しました。

A災害用指定井戸に協力している市民の要望に十分に応えることが地域でともに暮らしていける「まちづくり」への一歩だと述べ、小田原市の災害用指定井戸の位置づけを質しました。

B生活用水としての井戸にも注目し災害用指定井戸が不適合となった井戸の所有者に引き続き協力して頂くようお願いするとともに、これまでの災害用指定井戸同様にその重要性を市民に周知するなど提案。生活用水の確保は、飲用水同様に重要であると見解を求めました。


耐震性防火水槽の一層の整備を

 次に田中議員は、耐震性防火水槽について、大地震による火災で耐震性防火水槽の備えは極めて重要であると視察にいった兵庫県西宮市の阪神淡路大震災時の例などを示し、本市においても耐震性防火水槽の一層の推進をと、設置状況及び整備方針を質しました。

 市長は、検査数を増加できるよう小田原保健福祉事務所、神奈川県予防医学協会にお願いしている。災害用指定井戸は給水対策の一環として各地域で貴重な給水源として位置づけている。任意で生活用水の提供をしてもらえるような制度づくりを今後研究していく。大規模地震災害発生時の耐震性防火水槽の有効性は阪神淡路大震災においても実証されたが、本市では以前からその重要性を認識し、整備を進めてきている。今後も耐震性防火水槽をはじめとした消防水利を充実していく方針であると答弁しました。



尾崎一雄邸書斎

文学館に移築へ




 下曽我谷津に居住された作家尾崎一雄宅の、書斎二間と書庫スペースを小田原文学館に移築することが9月議会で決まりました。尾崎氏は下曽我で「末っ子物語」や「芳兵衛物語」等、多くの小説、作品を生み出しました。私小説と呼ばれ身近なことが題材になっていました。

 太宰治とも深い関係を持ち、雄山荘とも関係のある尾崎邸は、貴重な文化的遺産と言えます。尾崎一雄の書斎を保存し、氏の資料の保存管理をし、長く顕彰していくことは、小田原の文化の発展に大きく寄与するものです。また尾崎文学や太宰治の「斜陽」の舞台となった所を市民に展示するなどして、文学の香り、文化的なかおりのする街づくりを進めることが大切です。



小田原文学館に移築する尾崎一雄の書斎


内田輝夫氏(元市会議員)逝去




 さる9月11日内田輝夫元市会議員(76歳)が逝去されました。
 内田輝夫氏は故・門松茂雄氏に続く二人目の日本共産党市会議員として6期24年、市民のくらしと中小業者の営業を守り、住みよい地域づくりに尽力しました。住民から「輝さん」の愛称で呼ばれ、何かあればすぐ駆けつけることから篤く信頼されていました。いま鴨宮駅のエスカレーター・エレベーターの設置工事が開始されましたがこれも十数年前、まだ全国的に駅にエスカレーターを取り付ける例もあまりない中、内田氏が先駆的に「鴨宮駅南口の60段の階段のところにエスカレーターを」と提案、後を引き継いだ原田敏司議員も議会で繰り返し取り上げ、全市的運動となり実現したものです。「これで思い残すことがなくなった」と周囲の者に語っていました。気がかりなことが解決して安心した様子でした。




工事に着手した鴨宮南口