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139号(2005年8月発行)
【目 次】
6月議会・日本共産党3議員の一般質問

市民運動とともに
市民の声を議会に届ける

お通り地区再開発を一時中止し
市民合意のまちづくりを


関野隆司議員
〓城山マンション跡地利用〓
小田原城周辺の景観形成は
市民参加で推進を


原田敏司議員

断水による市民の切実な声に
十分に応えることができたのか


田中利恵子議員

タワービル建設計画
一時停止・見直しに
〓小澤市長が記者会見で発表〓


くらしを直撃する
下水道使用料値上げ
日本共産党小田原市議団は強く反対

   

小田原市6月議会一般質問

お通り地区再開発を一時中止し

市民合意のまちづくりを


関野隆司議員



 関野議員はお城通り地区再開発事業やエコループ事業など質問。   お城通り再開発事業について、市民説明会で多くの疑問や反対意見が出され、推進の声は極めて少なかった。市民説明会や市民からの声をどのように受け止め、活かそうとしているのかと質しました。

タワービルは必要か?

計画の見直しを


 第1の問題として、この計画は市民の要望から大きくかけ離れ、巨大な計画となっている。平成9年3月の第10回市民意識調査結果報告書によれば小田原市の将来像として「水辺や緑を大切にし、自然を残す都市」39・6%などとなっている。駅周辺の施設への要望として「都市型ホテル」はわずか6・8%でしかない。ところが今回の事業の施設計画ではホテル154室、賃貸住宅143戸がメインとなっており、市民の要望から大きくかけ離れている。

 第2に、小田原市の駅前という重要な都市計画を「一般業務代行者」に丸投げしている。このため市民の要望は無視されている。

 第3に、再開発事業は全国で破綻しているところが多く、保留床が処分できないで、結局横浜市などのように自治体が巨額な費用を負担することになっている。またキーテナントの撤退が大きな問題を引き起こすことは、駅前丸井ビルの事例で学んだばかりである。

 第4に、127mの建物は小田原市の景観や歴史を自ら壊すことになってしまう。市民提言会議は、高層建築は不要。高度地区指定による小田原の風光に適した穏やかな都市景観保全が必要と指摘している。

 保留床処分金予定101億円となっているが、処分の確保が一般業務代行者の村井敬合同設計から具体的に示されているのか。今回の事業の権利者の同意はどうか。事業の効果などについて質し、市民要望からかけ離れた巨大な再開発事業は一時停止し、市民的討議にかけ市民の意見や要望を取り入れ、市民合意のまちづくりを進めるよう求めました。

 市長は、市民説明会における市民の意見について、反映できるものは再開発準備組合とも相談したい。この計画は県と市により策定した広域交流整備構想にもとづく事業であり推進すべきと考えている。現在同意者は九名。保留床処分の確保は一般業務代行者の責務となっているが、事業のリスクを低減するため、先に事業者を公募し決めていくことを考えていると答弁しました。



小田原市6月議会一般質問

〓城山マンション跡地利用〓

小田原城周辺の景観形成は市民参加で推進を


原田敏司議員



 原田敏司議員は、まず城山マンション計画地の公有化に関連し質問。お城の目前で天守閣より高いマンション計画に市民が歴史的景観を守れと大反対。議会も公有地化を求め、市も動いた。市の提示額6億2千万円に対し業者は9億4千5百万円と譲らず、もう駄目かと思われた矢先に、業者が市に譲渡を申し入れてきた。

 なぜ業者は応じてきたのか、市民運動が大きな力になったのではないかと質し、景観緑三法に基づくお城周辺の景観形成を市民参加で推進するよう求めました。

 市長は、当該地は史蹟と歴史的景観・豊かな緑を有する重要な場所でマンション計画が発覚したときから公有地化の交渉を行なってきた。事業者は「小田原の文化的遺産を守るべくご努力されている市長はじめ職員の皆様に誠意を感じ土地を譲る考えをもった」と申し入れてきた。粘り強く思いを伝えた結果と考えている。

 景観法で問題のある建築行為や屋外広告物の規制を行ない、市民の意見を聴きつつ新たな制度づくりを進めたい。当該地域のまちづくりについては、まず地元住民の意向を把握し、マンション計画跡地の整備、活用は、当面防災上の観点から適切な安全対策を講じ、その後は地元住民をはじめ広く市民の意見も頂き、八幡山古郭全体の将来像も視野に入れながら、国、県、文化財保護委員会等と相談し、検討を進めていきたいと答弁。


障害者の福祉タクシー券

削減を中止せよ


 次に、今年4月から障害者本人または家族が車を所有し、自動車税の減免を受けている者に対しタクシー券の支給を止めたが、病気や家族不在のとき大変困っている。タクシー券削減は中止すべきだ。また国の障害者自立支援法で障害者はサービス利用料の一割負担を強いられるが、大変な負担増となる。国に法案の見直しを求めるべきと質しました。


侵略戦争美化の教科書は

採択するな


 最後に、日本が行なった侵略戦争を正しい戦争、アジア解放の戦争だったとする扶桑社の中学校歴史教科書は採択すべきではない。山谷えり子参議院議員の講演内容はチラシと全く事なり、扶桑社の教科書の採択を進めるための政治集会であった。教育委員会が後援したのは、誤りではないかと質しました。

 教育長は、公正で公平な教科書採択を進める。山谷講演会は申請時の内容と実際が異なり大変残念に思っている、と答弁しました。



小田原市6月議会一般質問

断水による市民の切実な声に

十分に応えることができたのか



田中利恵子議員



 田中議員はまず4月に起きた小峰送水管破損事故について質問。

 @断水による市民からの切実な声が市の対策本部などにたくさん寄せられていることや、田中議員自らが給水袋を届けるなどで主にお年寄りや障害者の方のところを回った際の「防災無線がよく聞こえない」「給水車が来ていたかどうかわからなかった」等、市民の声と実態を示し、こうした声にどう応えてきたのかを質しました。また防災無線を専門家に見せることや、容器のまま使えるキャップ付きの給水袋をお年寄りや障害者の方だけにでも至急用意すべきと提案。

 A仮設管での復旧に関しては一刻も早い復旧がのぞまれただけにもっと早く決められなかったのか。

 B市長の、一種の災害として今回の事故を捉えるべきであったとするコメントに触れ、災害扱いであればもう少し十分な手立てができたのではないか。いざ災害となった時に対応が後手に回ってしまうと危惧をする等指摘し、今回の対応にどのような判断基準を持ち合わせていたかなどを質しました。

 これに対し市長は多くの市民からさまざまな要望が寄せられ、全ての要望について対応することの難しさがあったことや仮設管決定の判断については最大限努力したことを理解して頂きたい。更に今回の事故はその様相から勘案し、災害に準じた体制・対応をとり、災害は全ての判断基準を一概に設けることは難しいが、より迅速で正確な判断が行なわれるよう取り組むことを考えるなどと答弁がありました。


ボートピア「同意しない」

姿勢の堅持を求める


 次いで田中議員はボートピアについて質問。市長の「同意しない」とした表明に民間事業者は異議を唱え場合によっては訴訟もと報じられているが、市長の同意しない意志に変わりはないかなど質しました。市長は、ボートピア進出計画に同意しない意向に変わりはないと答弁しました。


上府中保育園、

引継ぎ保育の延長を求める



 最後に上府中保育園の民間委託に関する引継ぎ保育は3ヵ月で終了としているが、子供の安定を第一に慎重に考えるべきだとし、引継ぎ保育の延長などを求めました。




タワービル建設計画

一時停止・見直しに

〓小澤市長が記者会見で発表〓




 7月14日 小澤市長は再開発準備組合とともに記者会見を行ない、小田原駅東口の127mのタワービル計画について、基本設計の作業を一時中断し建物の高さを抑えた計画に変更すると発表しました。

 党市議団は、無駄な大型開発は見なおし、くらしの予算に使うよう一貫して主張し、また多くの市民の方々が声をあげ、署名運動などで世論を高め運動を発展させてきました。6月議会では関野議員のほか社民ネット市民連合や市民クラブの職員が計画の一時停止・見直しを迫りました。
 高まる市民の声で見なおすことになりましたが市民の意見や要望を取り入れるものとはなっていません。今後は市民の声を十分に反映させてまちづくりの一貫として進めるべきと考えます。


くらしを直撃する

下水道使用料値上げ

日本共産党小田原市議団は強く反対



 6月議会に下水道使用料を、平成17年10月1日より平均9.59%値上げする条例案が上程され、賛成多数で採択されました。日本共産党小田原市議団は、平成13年4月に14.42%値上げしたのに続いて、市民のくらしを直撃するものであり、受益者負担の名の下に市民負担を増やすのではなく市費を投入し値上げを回避すべきと、強く反対しました。国際医療福祉大学に6年間で計3億円、お城通り再開発ビルに土地の買い取りも含め37億円、さらに企業立地促進条例に基づく大企業の設備投資に対する補助金年間数億円など見直せば、下水道使用料の値上げの回避は十分可能です。

2ヶ月で45立方b使用する標準家庭(3人家族)の料金比較

区分 現行使用料 改定 引上額
基本料金
 (a)
1480円 1640円 160円
21〜40立方b
 (b)
97円×20立方b
1940円
107円×20立方b
2140円
200円
41〜60立方b
 (b)
119円×5立方b
595円
119円×5立方b
655円
60円
合計
 (a+b+c)
4015円 4435円 420円