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130号(2004年8月発行)
【目 次】
6月議会・日本共産党3議員の一般質問
小澤市長のマニフェストを問う 関野隆司議員
卒業式は子どもたちが主役 田中利恵子議員
「年金改革法」白紙撤回を求めよ

原田敏司議員
市民的論議が必要
お城通り地区再開発事業の計画(案)出される
憲法をくらしに生かす運動と世論を
国に「教育基本法の早期改正」を求める陳情が不採択に!
   

小田原市6月議会一般質問

小澤市長の

マニフェストを問う

関野隆司議

 関野議員は小澤市長の市長選のマニフェストについて30人学級、小児医療助成、西部丘陵開発等を質問。

30人学級
 30人学級は日本共産党として、国会でも市議会でも一貫して求めてきた。マニフェストでは「小学校1年生の実質的な全クラス30人学級化を平成10年に実施します」とあるが、30人学級を推進しようとしているのか、市の小学一年生の現状はどうかなどを質した。

 市長は小学1年生で、35人を超える学級を持つ8校に、臨時職員を派遣し、35人学級とした。30人を超え35人以下の学級のある9校にはスタディ・サポート・スタッフを派遣。少人数による指導はきめ細かい支援ができ、教育的な効果が十分に期待されるので、今後、少人数指導の推進を図っていく必要があると考えていると答弁。

小児医療助成について

 日本共産党は一貫して小児医療助成を求めてきた。市長はマニフェストで「日本一安心して子供を産み、育てられるまちを目指します」として、平成18年度までに小児医療の未就学児童の無料化を達成するとしているが、前倒しして実施し、所得制限も撤廃すべきではないかと質問。

 市長は今年度10月から5歳未満児迄の拡大をする。平成18年度迄に着実に進める。所得制限は現状のままと答弁。

西部丘陵について

 マニフェストには西部丘陵開発 「おだわらレインボーヒルズ構想」が明示されていないが、西部丘陵開発は取り止めるのかと質問。

 市長は「おだわらレインボーヒルズ構想」は東西自由通路の完全オープンで、西部丘陵地の土地活用はますます重要なプロジェクトと確信していると答弁。

大型開発隠しのマニフェストでは?

 再質問で関野議員は、マニフェストで、小学1年生実質30人学級というのは有権者を惑わすものではないか。小児医療助成は中井町は6歳、箱根は小学2年迄進んでいる。今年からでも行なうべき。「レインボーヒルズ」構想を明示しなかったのは市民に明らかにせず市長選を戦ったと言える。大型事業に厳しい批判がある中、大型開発を明示すれば結果はもっと厳しかったかもしれないなどと質しました。



小田原市6月議会一般質問

卒業式は

子どもたちが主役


田中利恵子議員


 田中利恵子議員は始めに卒業式について、
@子どもたちが主役と考えた時、対面式の卒業式が望ましいのではないか。
A障害のある児童・生徒がより自ら参加できるためにも対面式が望ましいのではないかと質問。
 対面式の卒業式は、主役である卒業生がステージの上のひな壇などに並び参列者側を向き、参列者全員がお互いの顔が見えるように向き合う形で座ります。ステージ下の床の平面を利用しての卒業証書授与は、車椅子を必要とする子どもたちにもよりやさしい対応となっています。対面式卒業式では「みんなで送るという温かい雰囲気がある」等の感想が寄せられています。

 教育長は、卒業式の主役は子どもたちととらえ、それぞれの学校が卒業式の在り方を考えていくことが大切であると考える。すべての児童生徒が主体的に参加できる卒業式にするために各学校が創意工夫しどんな卒業式にしていくか検討することが望ましいと答弁。

生活保護費削減は問題!

 次に田中議員は生活保護制度について、
@国・県による老齢加算の段階的廃止などは更なる痛みと考えるが見解を問う。
Aより行き届いた指導などができるようにケースワーカーの増員をすべきではないかと質問。
 国は平成16年度から、生活保護基準の引き下げと、老齢加算の段階的廃止、県は一時金を廃止するなど生活保護世帯に対し大幅に削ってきています。市内に住む受給者の70代の男性は昨年に比べ約二万四千円減額されるなど特に高齢者ほど厳しくなっています。

 市長は@については国・県による減額の理由を述べるにとどまり、Aのケースワーカーの増員については生活保護の動向や被保護世帯の実情を勘案し、適切な保護事務に努めているが、今後とも更に適正な対応に努めるなどと答弁。


 田中議員は生活保護費の大幅削減は大問題、国に改善を求めるべきとつよく主張しました。



小田原市6月議会一般質問

「年金改革法」

白紙撤回を求めよ


原田敏司議員


 原田敏司議員はまず、先の国会で与党が強行採決した「年金改革法」に関し質問。「年金改革法」は14年間連続して保険料を引き上げ、給付は削減する悪法である。名目賃金が上がれば保険料は際限なく上昇し続け、給付が「現役世代の50%保障」されるのは年金受給開始後のほんの一瞬ですぐに50%を割り込み、場合によっては30%前後にまで落ち込んでしまう。「百年安心」どころか不安が一杯で国民の7割は反対だった。このような「年金改革法」は白紙に戻し審議し直すよう国に強く求めるべきだと主張。

 市長は公的年金制度は、社会保障全般の見直しを図るなかで、必要な見直しがなされると答弁しました。 

 次に原田議員は、要介護者の税の軽減について質問。国は障害者手帳を持たない要介護者も、市町村長が障害者に準ずると認定すれば税の控除が受けられる(昭和45年厚生省社会局長通達)としている。小田原市の現状はどうなっているか、要介護者の税の軽減を図り拡充すべきではないかと質しました。

 市長は、65歳以上の「ねたきり老人」や「重度の痴呆症の老人」を、特別障害者控除対象者として認定している。認定は申請に基づき、一定の条件に該当する場合に認定書を交付している。比較的軽度の障害者が該当する障害者控除対象者については、障害者手帳の交付を受けるよう助言している。制度の周知等については今後の課題としたいと答弁。 さらに原田議員は、JR東海道本線の狭いガードの照明と安全対策を求め、市長は必要に応じ対応すると答弁しました。

鴨宮駅南口、
北口にエレベーター、
エスカレーター設置の方向


 最後に、市長選の小澤市長のマニフェストに関連し鴨宮駅の昇降施設の整備・着工について質問。

 市長は南口、北口ともエレベーター、エスカレーターを整備し平成一七年度着工、平成18年度完成を目指す。また駅ホームも一体的に整備する方向でJR東日本と協議を進めていると答弁しました。 


市民的論議が必要

お城通り地区

再開発事業の計画(案)

出される



 市議会の「小田原駅周辺問題調査特別委員会」に「小田原駅東口お城通り地区市街地再開発事業 事業計画(案)」が報告され、今後の進め方が出されました。
 計画(案)は小田原駅東口駐車場の駅寄りに高層の再開発ビル等を建設するというもの。

 計画(案)は地権者等で構成する再開発準備組合に報告済みで、今後事業化計画の作成を進め平成17年秋頃には都市計画決定をしたいとしています。本事業の最大の地権者は市・土地開発公社(土地保有率80%)であり、実質的に小田原市の事業といえます。市街地再開発事業は全国的に破綻する例が続出しており、このような大型開発を推進してよいのか市民的な論議も必要になってきています。

【計画の概要】 地上30階、地下1階
【施設用途】   ホテル(約250室)
          コンベンション等
          都市型商業施設
          オフィス
          都市型賃貸住宅(約200戸)
          地下駐車場
【事業費見込額】概算129億円
          [一般会計補助金約20%]
          [保留床等処分金約80%]


憲法をくらしに生かす運動と世論を

国に

「教育基本法の早期改正」

を求める陳情が

不採択に!


 6月17日の福祉文教常任委員会で「教育基本法の早期改正」を求める陳情が、共産党、社民、ネット連合、市民クラブ、公明党の反対で不採択になりました。

 その後、代表者会議に副議長会派の「駿世会」から、市議会議場に「国旗」等の掲揚をしたら、という提案がありました。7月27日の代表者会議では、日本共産党、社民、ネット連合が反対、市民クラブ公明党が時期尚早、駿世会、進友会、粋誠会が賛成しました。その結果、今回は時期尚早として見送られました。

 憲法九条を変える動きと、思想信条の自由と内心の自由を奪う「国旗」「国歌」の強制が強まってきています。今こそ、憲法をくらしに生かすことが大切なときです。