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2007年3月号外(2007年3月発行)


お城通り地区再開発ビル

コンベンションホールなどへの
市の運営補助金


年間2億3500万円を提案
(50年間とすれば117億5千万円)

日本共産党小田原市議団

優先交渉権者は
アーバンコーポレイションに決まる

 小田原市は2月8日開催した市議会の都市建設常任委員会で、お城通り地区再開発ビルの優先交渉権者を選ぶ事業者公募に、2社から提案があり、審査経過と、潟Aーバンコーポレイションが優先交渉権者に決まったことを報告しました。
 潟Aーバンコーポレイションの提案では、小田原市からのコンベンションホールなどへの運営補助金を、年間2億3500万円と提案しました。(50年間とすれば117億5千万円)

コンベンションホール事業 全国で経営破綻

 いま全国いたるところで、コンベンションホールの賃貸事業が経営破綻しています。

日本共産党 事業の中止を主張
 質疑では各委員から重大な問題が指摘されました。日本共産党の原田としじ市議は、市民の大切な土地を50年間も貸し与え、巨額の補助金をつぎ込むこの提案内容では、事業計画の中止しかないと主張しました。

市民の大切な一等地を50年間貸与
「市などが72億円余も支出して取得した、市民にとって大切な財産である、小田原駅前の市有一等地を、なぜ民間事業者に50年間もの長期貸与するのか?」と、市民からきびしい声があがっています。
 この土地は現在市営駐車場として、市民に利用され、年間5400万円の収入があります。ビル事業者からの地代収入は年間3100万円です。この駐車場が無くなれば、駅周辺の駐車場不足が心配されています。



3階吹き抜けが
コ ン ヘ ゙ ン シ ョ ン 大ホ ー ル



建設予定地の
小田原駅東口駐車場



市税の使い道を変えれば


約2億8400万円で国保料
1人5000円引き下げが


 市民は国民健康保険料の値上げで大変です。約2億8400万円あれば、市民1人あたり5000円引き下げが可能となります。そうすると保険料の高さで2006年度県下19市中ト ッ フ ゚ から低い方になります。

1〜2億円あれば市立保育園1ヵ所が

 保育園に入りたくても入れない幼児が65人もいます。約1億円あれば定員45人の、約2億円あれば定員60人の保育園1ヵ所を造ることができます。定員60名の公立保育園の年間経費は年間約9千万円です。
11億円で特別養護老人ホーム1ヵ所が

 小田原市の特別養護老人ホームの待機者は、2006年度10月時点で655人です。約11億円で80床+短期入所20床の特別養護老人ホーム1ヶ所を造ることができます。


お城通り地区再開発ビルを
建てる計画について
日本共産党小田原市議団の
「くらしを良くする市民ア ン ケ ー ト 」に
寄せられた回答より






優先交渉権者に決まった
アーバンコーポレイション

5年間所有権移転(売渡し)をしないというが
その後はどうなる?

国・県・市からの 建設補助金10億円 丸もうけでは


将来的に不動産の証券化も選択肢

 小田原市議会に提出した資料の、提案者に対する審査講評では「コーポレートローン等による資金調達が提案されており、事業実績からその確実性については高いと判断できる。なお、ビルの所有と管理を分離するという観点から、将来的に不動産の証券化も選択肢として残しているが、竣工後5年間は所有権を移転しないこととしている。その後についても、地権者等との協議を行うこととしており、事業全体のコンセプトが継続されることから、問題がないものと思われる」となっています。

本当に問題がないのか


 本当に問題がないのでしょうか。この事業には国・県・市から合計10億円の建設補助金が出ます。証券化による5年後所有権移転(売渡し)となれば、売買によってこの補助金は丸もうけとなります。
 また「未同意者も含めた地権者への対応については、前向きに取り組む姿勢が感じられ、評価できる」としていますが、事業に参加しない地権者は熟慮に熟慮を重ねて結論を出しているのであり、それを説得する権限まで事業者に与えてしまうことになります。

リスクはすべて市民に
 市がかかえる借金1351億円


 北海道の夕張市が、数々の箱物を作り財政が破綻した結果、そのツケが市民の生活を襲っています。お城通り地区再開発ビル建設が強行され、この事業が将来破綻した場合、だれが責任を取るのでしょうか。全てのリスクは市民が負わされます。
 小田原市がかかえる借金は05年度末で1351億円、赤ちゃんを含む市民1人あたり68万3000円です。

しかも同時進行の城下町ホールに
    62億4200万円を予算計上

 小田原市は、「城下町ホール」の建設を同時進行で進めています。平成19年度予算で、平成19〜41年度の期間、城下町ホール施設取得費として、63億4200万円が計上されています。
 市民生活は税金や社会保険料の値上げなどで、ますます苦しくなっています。これからの市民生活を豊かにするためにも、お城通り地区再開発ビルの建設は中止すべきではないでしょうか。



駅前再開発ビル予想全景イメージ



再開発ビル外観予想
駅からのお城の展望が失われる



再開発ビルの資金計画に係る提案
(議会委員会資料より抜粋)


<資金計画> ・事業費計:57億4800万円
  自己資金:47億4800万円
  補 助 金:10億円 
    (国5億 県・市各2.5億)


優先交渉権者の会社概要
(議会委員会資料より抜粋)


会社名 ア ー ハ ゙ ン コ ー ホ ゚ レ イ シ ョ ン 創業時期1990年
(平成2年)5月
住所 (本社)広島市中区上八丁堀4番1号
代表者 代表取締役社長 房園博行
主要業務内容 流動化事業 住宅事業 ア セ ッ ト マ ネ シ ゙ メ ン ト 事業 フ ゚ ロ ハ ゚ テ ィ マ ネ シ ゙ メ ン ト 事業 その他の事業
(開発・リ ノ ヘ ゙ ー シ ョ ン 事業※として投資対象となる不動産物件を開発・販売) (分譲マ ン シ ョ ン 等の企画・開発及び販売) (投資家から委託を受けて資産の運用、運営、管理を行う業務) (分譲マ ン シ ョ ン 、ヒ ゙ ル などの管理業務を含む不動産管理業務) (ゴルフ場、飲食店舗等の企画・運営業務、工事請負業務等)
資本金等 18,996百万円 東証1部上場
従業員数 318人
売上高 経常利益(H17.4〜18.3) 売上高  48,969百万円
経常利益 8,172百万円
大株主(持ち株比率%) 房園博行(16.49)日本マ ス タ ー ト ラ ス ト 信託銀行(10.05)ハ ゙ ン ク オ フ ゙ ニ ュ ー ヨ ー ク GCMク ラ イ ア ン ト ア カ ウ ン ツ EISG(6.15)日本ト ラ ス テ ィ ・サ ー ヒ ゙ ス 信託銀行(5.8)コ ゙ ー ル ト ゙ マ ン ・サ ッ ク ス ・イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル (5.26)

※ リ ノ ヘ ゙ ー シ ョ ン 事業…
古くなった建物を改築・改修し、
新しい価値を付加し再生させる事業